中卒人間の人生賭博月刊誌

大学受験までの日々を。何も変わらない日常に色を付けるために、少しでも記録しておくために。

この日々の意味。

4月。時代とは少し距離のある日常においても、時世には逆らえない。緊急事態宣言の影響で塾は休校。居心地の悪い実家で参考書と睨み合いをしないといけない日々。

大学受験が終わればこの鬱々とした気分も晴れるだろうと思いながら日々を送る。

しかしそれが訪れるのは遥かに先の事である。そしてその最低条件に大学合格という人生において価値のある切符を手に入れないといけない。

極度のストレスと不安と恐怖が俺を襲う。耐えるだけの受け皿はもはやいっぱいになっており、その皿に亀裂でも入れようと精神崩壊の試みも幾分かしている。

最近の情熱の持続方法としては、恋をしてみたり(受験期なので無論叶わぬが)司馬遼太郎の本を物色したり、タバコをふかし孤独に浸ったりをしている。

こんな糞くだらない道楽でも日常に色がつけれるので自分は恵まれているななんても思っている。

 

そして道楽後に訪れる不安の中に、この日々の意味を模索しようとする感情が生まれ始めている。恐らくこの先緊急事態宣言は延期され、塾にも行けずにひたすら己と戦う日々が続くだろう。そしてその日々は将来の自分にとってどのような価値を見出すのだろうかと考えるのである。一年後自分の理想通りの結果に終われば価値は存分にあったと言えるだろう。しかし夢破れ、自刃しなければいけない結果となったらこの日々は後悔されるだろう。そんなことを考え、一日の重みを知る。あっという間に過ぎ去る一日を無為な時間にはするまいと気持ちが高揚する。

 

が、こんなに気持ちだけ奮い立っても行動に現れないのが俺の短所であり、直さなければならないとこである。気合を入れても忍耐力が無い限りそれは妄想で終わる。すぐに気晴らしを求め、惰性になる。毎日気合を保ち続けれる人間は本当に尊敬に値する。情熱の沸点は低いが、低いからこそすぐ冷める。哀れだと自分でも思う。思い返せば一日を全力で終えた試しなんかないのである。身近に支えあう友人もなく、家庭環境も最悪。不必要なストレスまでのしかかってしまう。

だがやらねば落ちる。人生も終わる。幸せも掴めぬ。何も成せない。

後が無いこの人生に誇りを取り戻すために、一心不乱に猛進することこそ最大の幸福を得られる近道だと信じ、肉を切らせて骨を断つ努力をする。

勿論骨とは志望校合格であり、肉とはこの凄まじく醜い日常である。

これをふたたびことわざに戻すと、腐肉を切らせて岩骨を砕くとなるだろう(笑)

哀れな人生を抜け出すために、試練を食らっていかねばならぬ今日この頃であった。